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実方 秀*; 新津 好伸*; 久野 剛彦; 佐藤 宗一; 黒沢 明
JNC TN8410 2001-002, 66 Pages, 2000/12
再処理施設から発生する高放射性廃液(High Active Liquid Waste:以下HALWと略記)中の微量プルトニウム分析法として、従来の吸光光度法よりも低濃度域における測定に優れ、査察側検認分析法としての応用が期待される高感度吸光光度法(High Performance Spectrophotometry:以下HPSPと略記)を検討した。コールド試験では、プルトニウム代替物質としてプルトニウム(VI)の吸収波長近傍に吸収ピークを示すネオジムを用いてピーク強度算出方法の検討を行ったところ、3波長法が本法において有効であった。硝酸プルトニウム溶液の測定では、011mgPu/Lにおいて信号強度との間に良好な直線関係を有することがわかった。さらに実際のHALWの組成を模擬してマトリクスを複雑にした溶液(模擬HALW)にプルトニウムを添加した試料の測定を行ったところ、同様に011mgPu/Lについて良好な直線関係が得られた。また、HALWにプルトニウムを標準添加した場合も同様に良好な直線関係が得られた。本法は、サンプル中の硝酸濃度、スラッジ及び共存元素による影響を受けることから、それぞれの依存性について調査したところ、硝酸濃度24mol/Lで測定値が約14%変動することがわかった。またスラッジについては、ろ過による除去が必要であり、共存元素については光学調節によるベーススペクトルのバランス調整によって影響を排除することができた。低濃度プルトニウム試料を測定する場合については、ピーク強度とノイズ成分の比(S/N比)が相対的に小さくなることから、積算平均化法、単純移動平均法、フーリエ解析法によるスペクトルのS/N比向上を検討した。検討結果から、積算平均化法と単純移動平均法を組み合わせて用いることが本法の特性上最適であり、硝酸プルトニウム溶液測定時における検出限界値は0.07mgPu/Lとなった。また、プルトニウム含有模擬HALW溶液を測定した時の検出限界値は0.2mgPu/Lであった。さらに、実際のHALWを用いた場合についても、検出限界値は0.2mgPu/Lであることが予想される。
加藤 利弘*; 竹内 正行; 大橋 和夫; 永井 崇之; 石橋 祐三; 武田 誠一郎
PNC TN8410 98-070, 31 Pages, 1998/02
(目的)溶液中のAg(II)をin-situで定量的に分析する手法として、吸光光度法の適用可否を検討した。(方法)電解により生成したAg(II)の吸光スペクトルを吸光光度計で測定すると同時に酸化還元滴定法によりAg(II)の濃度を測定した。(結果)濃度と吸光度が直接関係にある波長が存在し、Ag(II)の吸光光度法によるin-situ分析は原理的に可能であることが分かった。ただし、定量分析が可能な波長や濃度範囲は、Ag(II)濃度や生成条件によって異なること、および分析上の問題点が幾つか存在することが分かった。(結論)Ag(II)の吸光光度法によるin-situ分析への適用性を検討した結果、限定された条件内においては、適用の見通しを得た。
竹内 正行; 石橋 祐三; 大橋 和夫; 永井 崇之; 武田 誠一郎; 山本 一也
PNC TN8410 98-063, 48 Pages, 1997/12
(目的)再処理溶液中に存在する特有の金属種として、プルトニウムに着目し、硝酸プルトニウム溶液環境中でのステンレス鋼材料の腐食挙動について調査する。(方法)硝酸プルトニウム溶液を試験液に、R-SUS304ULCを供試材に使用し、材料浸漬試験、電気化学試験、吸光光度法による溶液中プルトニウムのin-situ原子価分析を東海事業所高レベル放射性物質研究施設で実施した。浸漬試験後の供試材は放射能測定による表面付着量の評価を行った後に、動燃大洗工学センターの照射燃料集合体試験施設において、詳細な材料表面分析を実施した。(結果)(1)硝酸中に共存するプルトニウムはステンレス鋼の腐食を促進する方向に作用し、過不働態腐食に帰属する粒界選択型の腐食形態が観察された。(2)イオンマイクロアナライザおよびX線マイクロアナライザによる分析結果から、浸漬試験片表面にプルトニウムは検出されなかった。(3)電気化学試験結果から、溶液温度が上昇するにつれて、R-SUS304ULCの腐食電位はより貴になり、不働態から過不働態域に移行する傾向を示した。また、その時のアノード電流密度は腐食速度を反映し、増大する傾向を示した。(4)溶液中プルトニウムのin-situ原子価分析結果より、当該環境(硝酸濃度3M,Pu濃度10g/l)では、313343K(4070)からプルトニウム(VI)が酸化生成する傾向が認められた。(結論)プルトニウムの影響によって進行するステンレス鋼の過不働態腐食は、材料表面におけるプルトニウムの還元反応(VIIV)と密接に関連するものと考えられる。また、酸化剤として作用するプルトニウム(VI)は本溶液環境において、温度の影響を受け、硝酸によって酸化されることで生成することが分かった。
渡部 和男; 樋田 行雄
分析化学, 44(11), p.939 - 942, 1995/00
湿式酸化分解法による黒鉛中ホウ素の定量法を開発した。黒鉛0.5gは、硫酸5ml+過酸塩素酸3ml+硝酸0.5mlにリン酸5mlを添加し、200Cに加熱することにより、約1.5時間で分解できた。このリン酸添加により、前処理操作時のホウ素のロスを防止することができた。本法を黒鉛標準試料に適用し、乾式灰化法による表示値が正しいことを確認した。繰り返し精度は、2ggレベルのホウ酸を含む黒鉛試料に対してc.v.%で4~8%であった。
檜山 敬; 大内 義房; 岡本 文敏; 富樫 昭夫
PNC TN8450 93-005, 14 Pages, 1993/06
本報告書は、平成5年5月25日、東海事業所図書・研修合同棟において開催された第14回分析技術報告会の内容をとりまとめたものである。この報告会は昭和58年に第1回目を開催して以来、各事業所分析部門の「技術情報交換」「分析業務の効率化と技術の向上」及び「分析に携わる技術者の教育」を目標にほぼ毎年継続してきたものであり、探鉱部門から廃棄物処理処分技術開発に至る原子力サイクル全般に係わる巾広い分野から全事業所に渡り、報告案件を集めるもので、今回も東海事業所を初め、大洗工学センター、中部事業所、もんじゅ建設所から、14件の報告がなされた。
田中 忠夫; 神山 秀雄
JAERI-M 93-035, 22 Pages, 1993/03
ネプツニウム(V)とアルセナゾIIIとの錯形成による呈色反応を利用して、吸光光度法による水溶液中微量ネプツニウム(V)の連続定量を試みた。容量300lのフローセルへ、pHを4.3に調節した酢酸-酢酸ナトリウム緩衝液中のアルセナゾIII210Mとネプツニウム(V)110~110Mをそれぞれ0.5ml/minで送液し、650nmでの吸光度を検出した。種々の土壌試料からの溶出イオンの共存下で、10~10Mのネプツニウム(V)の連続定量が可能であることを確認した。本法を砂質土壌層中におけるネプツニウム(V)の移行実験に応用した。測定された砂質土壌層流出液中におけるネプツニウム(V)の濃度は、放射能分析との比較で良好な結果が得られた。
樋田 行雄; 渡部 和男
分析化学, 42, p.T65 - T69, 1993/00
高純度黒鉛中の微量ホウ素の正確かつ簡便な定量法を確立するため、クルクミン吸光光度法について検討した。共存元素による影響を調べ、黒鉛の灰化に用いる白金皿の腐食に起因する白金がホウ素定量を妨害することを明らかにした。高純度黒鉛中のホウ素は、灰化容器としてシリカ皿を用いることにより、非分離で定量できた。本法を黒鉛標準試料に適用し、結果が表示値と良く一致することを確認した。繰り返し精度は、2ggレベルのホウ素を含む黒鉛試料に対して相対標準偏差で3%であった。
橋谷 博; 井澤 君江; 武石 秀世; 安達 武雄
分析化学, 35(11), p.916 - 919, 1986/11
従来黒鉛中の不純物硫黄は1400Cで発生する二酸化イオウを希過ヨウ素酸カリウム溶液で滴定されていたが、こん跡硫黄の定量はむずかしい。著者らは黒鉛粉末を過塩素酸中過ヨウ素酸で酸化分解し(200C)、還元蒸留した後、エチレンブルーとして吸光光度定量する方法を開発した。黒鉛1gは3時間で分解し、2ppm以上の硫黄が定量できる。この方法を用い、世界の主銘柄の人造黒鉛材を分析した結果、3~90ppmの硫黄が定量された。別に低量した金属不純物と比べると、硫黄は総じて均一に分布している。また、過塩素酸による酸浸出を試み、90%近い硫黄が回収された。
武藤 博; 吉田 善行; 青柳 寿夫; 安達 武雄; 小森 卓二
JAERI-M 86-032, 10 Pages, 1986/03
再処理プロセスにおける硝酸溶液中プルトニウムの、オンラインモニタリング化学分析法として、Pu(VI)-吸光光度法を適用するための基礎デ-タを得る目的で行った、表記受託研究の調査結果をまとめたものである。0.1~5M硝酸中のプルトニウムイオンはCe(IV)を加える事によって迅速に かつ定量的にPu(VI)に酸化されること、およびこれに基ずいて、Pu(VI)の833nmにおける吸光度を測定し、溶液中全プルトニウムイオンを定量できることを明かにした。本法の検出下限は、5gPu/ml、5回繰り返し測定時の相対標準偏差は5%以下であった。
武石 秀世; 武藤 博; 青柳 寿夫; 安達 武雄; 井澤 君江; 吉田 善行; 河村 弘*; 木原 壮林*
Anal. Chem., 58(2), p.458 - 462, 1986/00
被引用回数:11 パーセンタイル:54.69(Chemistry, Analytical)溶液化学的手法による、照射後二酸化ウランUO中のO/U比測定法を開発した。UOペレットからダイヤモンドカッターで切り採った試料片を強リン酸に溶解したのち、溶液中のU(IV),U(VI)を定量し、O/U比を算出した。サンプリングおよび溶解操作中にウランの酸化状態が変動しないことを確認した。強リン酸溶液中のU(IV),U(VI)の安定性も調べた。U(IV),U(VI)の定量には、予期せぬ妨害を避けるために全く原理の異なる吸光光度法、フロークーロメトリー両法を用いた。Pu,FP元素の妨害を前電解法により軽減した。吸光光度法およびフロークーロメトリーによりU(IV),U(VI)を定量した場合、それぞれ5000MWd/tのUO中のO/U比2.01、および10000MWd/tのUO中のO/U比2.001が決定できた。
櫛田 浩平
Analytica Chimica Acta, 183, p.225 - 230, 1986/00
被引用回数:5 パーセンタイル:33.11(Chemistry, Analytical)リチウム同位対比の測定は、トリチウム製造研究におけるトリチウム生成量評価法のひとつであるリチウム-6燃焼率測定において必要となる。原子吸光光度法による測定法は、質量分析法において問題となる分別蒸留が起こらず、試料調整が容易であり、測定時間が短い等の利点がある。従来行われて来た吸光度比法は、溶液中のリチウム濃度に影響を受ける欠点があった。その影響を消去するため、極限吸光度比を利用する方法を開発した。本法では、試料溶液中のリチウム濃度を知らなくても同位対比が測定できる利点がある。本法により、濃度0.01mol/m Liの試料を、Li比0~100%の範囲で同位体測定ができる。測定誤差は0.7% Li と評価された。また、本法により天然組成およびLi高濃縮リチウム試料を比較的良い精度で測定できた。
山本 忠史; 寒竹 嘉彦*
Z.Anal.Chem., 294(4), P. 284, 1979/00
ウラン(VI)の選択的で迅速な定量法を確立した。5M塩酸溶液からトリ-n-オクチルアミン-キシレン溶液でウランを抽出分離し、その有機相とクロロホスホナゾIII-0.3M塩酸溶液を振り混ぜて、有機相で錯体を生成させる。667nmにおける吸光度を測定する。定量範囲は0~20g。定量下限2g。モル吸光係数は7.810l・mol・cm。海水中のウランをチタン酸に吸着捕集するプロセスの脱着液に適用した。
関根 敬一; 大西 寛
Z.Anal.Chem., 288, p.47 - 49, 1977/00
ニッケル基合金中の0.01~0.1%のジルコニウムを塩酸溶液からゼフィラミンとアルセナゾIIIを用いる浮選により分離し、アルセナゾIIIを用いる吸光光度法で定量した。
橋谷 博; 安達 武雄
分析化学, 24(5), p.303 - 307, 1975/05
原子炉材料としても注目され始めているタンタルは近年格段に純度が向上してきつつあり、それに伴い現在JIS分析法の改定が急がれている。ニオブについてみれば、従来のJIS法の定量下限(10PPm)以下のものも製造されており、こん跡ニオブの高感度定量法の開発が望まれていた。著者らは、高感度のスルホクロロフェノールS光度法を適用するため、HNO-HF系陰イオン交換法の分離条件とニオブの呈色に及ぼす硫酸、酒石酸などの影響を詳細に検討した。その結果、金属タンタル1g中の1g以上のニオブの定量ができるようになった。なお、本法はイオン交換分離で鉄、ニッケル、クロムなどを除去できるので、鉄基、ニッケル基耐熱合金中の微量ニオブの定量にも応用できる。
関根 敬一
Mikrochim.Acta., 1(4), p.313 - 319, 1975/04
海水中のウランをアルセナゾIII-ウラン(VI)錯体とし、ゼフィラミンを加えて浮選分離した。ウランの定量は中性子放射化分析とウラン(IV)-アルセナゾIII錯体を用いる吸光光度法によった。東海研沖の海水中のウランとして3.0g/lの値を得た。
関根 敬一; 大西 寛
Anal.Lett., 7(3), p.187 - 194, 1974/03
被引用回数:8高感度で選択的な銅の定量法を開発した。銅(I)-2,2'-ビキノリル錯体を3-メチル-1-ブタノールに抽出した後、その錯体をブロムフェノールブルーと会合させる。この青色のイオン会合体を銅の吸光光度定量に用いた。この方法をニッケル基合金中の銅(0.003~0.2%)の定量に適用した。
高橋 正雄; 松田 祐二; 大内 操; 小森 卓二
分析化学, 20(9), p.1085 - 1091, 1971/00
金属ナトリウム中のこん跡ウランを,真空蒸留でナトリウムを分離し,同位体希釈法およびアルセナゾIIIを用いる吸光光度法で定量することを検討した.ナトリウムを真空蒸留するときにウランの損失がないことが同位体希釈法により確かめられた.ナトリウムの蒸留にはステンレス鋼るつぼを使用し,同位体希釈法ではウランをトリ-n-オクチルアミンで抽出分離してから,その同位体比を測定した.吸光光度法では鉄を抽出除去してからウランを亜鉛で4価に還元し定量した.この二つの定量法の検出限界は,同位体希釈法では約1ppb,吸光光度法では100ppbウラン程度であろうと考えられる.さらに試薬金属ナトリウム中のウラン濃度は2ppb以下であることがわかった.
橋谷 博; 吉田 秀世*
分析化学, 19(3), p.403 - 406, 1970/00
新しい原子炉材料として注目されているジルコニウム-ニオブ合金中の3%程度のニオブの定量法として吸光光度法3法と過マンガン酸カリウム決定法を検討し,過酸化水素吸光光度法が最も好ましいという結論を得た.